公開日 2022-07-28 最終更新日 2023-08-10
突然ですが魅力的な人気の「マンション」と聞くと、皆さんはどのような物件を思い浮かべますか?
多くの方は「高くそびえる高層マンション」「ランドマークのようなタワーマンション」を思い浮かべているのではないでしょうか。
高層マンションには大きな魅力として、
・高層階における圧倒的な眺望
・コンシェルジュによる豊富なサービス
・フィットネスジムなどの便利な共用など…
1000世帯ほどの多くの人が同じ建物に住むことで得られるアドバンテージが多く、地方では少ないことからタワーマンションがお金持ちの象徴と思われているのでしょう。
一方で、近年はいわゆるこの「タワーマンション神話」が崩れつつあります。それと入れ替わるように低層マンションの評価が見直されつつある現状。
低層マンションには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
またタワーマンションの価値が変わってきている理由とはどのようなものなのでしょうか?
今回は高層マンションにも負けない、低層マンションのたくさんの魅力に迫ります!
低層マンションとは?
身も蓋もない話になってしまいますが、実は低層マンションに明確な定義はありません。
しかし、傾向として以下のような条件に当てはまる物件が多いです。
①3~5階建ての物件 |
②第1~2種低層住居専用地域に建てられている物件 |
第1~2種低層住居専用地域とは都市計画で定められた居住用の地域のことで、
「よりよい住環境を守る」ために家を建てる際にいくつかのルールが定められたエリア
・物件の高さが10~12m以内
・居住用以外の物件では図書館や幼稚園などの公的施設、個人店舗の喫茶店や美容院などのみ
といった条件の地域です。
3~5階建て程度のマンションが多いというのも、低層マンションの大半がこのルールに則って建てられているためです。
低層マンションの特徴
では、実際に低層マンションの特徴はどういったものがあげられるのでしょうか。
低層マンションの物件の特徴としては以下のようなものが挙げられます。
①高級マンションやデザイナーズマンションが多い |
②高台などの立地が多く日当たりのよい物件が多い |
③周辺は緑地や公園などのスポットに恵まれている |
④閑静な住宅街に建つ場合が多い |
⑤頑丈な物件が多く、経年によってヴィンテージマンションとなることも |
低層マンションと聞くと高級住宅街に佇むイメージもありますよね。
マンションのみだけでなく周辺環境の住環境が充実していることが多いのが特徴です。
また、低層マンションはタワーマンションと違い横の面積が大きいです。
決してタワーマンションが脆弱というわけではないですが、物件の構造や設計上、接している床面の面積からして低層マンションの方が頑丈な物件が多くなります。地震の揺れもタワーマンションに比べて軽減します。
そのため、施工から長い時間を経てヴィンテージマンションとなることも少なくありません。
重厚感のあるヴィンテージマンションですが、低層ですと造りが丈夫なことが多く価値も下がりづらいです。
低層マンションとタワーマンションでは、敷地持分の差がある
低層マンションの価値が下がりずらい理由として、タワーマンションと比べて、各部屋の所有者の敷地の持分が多いということが言えます。
例えば…
①低層マンション:5坪の土地に5階建ての5部屋
②タワーマンション:5坪の土地に50階建ての50部屋
が建築されてた場合、①は1部屋あたりの敷地の持分は1坪に対して、②は0.1坪が持分になります。
タワーマンションの方が建物に対する価格の比重が多いため(高層階に建材を運ぶため)、建物が古くなっていくと建物の価値が目減りします。低層マンションは土地の割合が多いため、建物の価値が下がっても土地の価値が購入時よりも上がっていることもあります。
※タワーマンションは特に2000年前後から施工されているため、50年後の管理や修繕のリスクがまだ不透明です。
大規模修繕の費用が積立金では足りないトラブルも今後増えそうです。
東京都内の人気低層マンション賃貸物件一覧
東京ミッドタウン裏に位置する低層マンションです。
檜町公園側でもあり、高級マンションが立ち並びます。
歩くだけでも楽しい街です。
三菱地所の最高峰のブランドマンション。
南麻布の閑静な高級住宅街に位置する低層マンションです。
三井不動産の最高峰の高級マンションシリーズ。
こちらもタワーマンションではなく、低層の造りが多いです。
港区南麻布4丁目に建つ高級低層マンション。
閑静な住宅街ながら「明治通り」「外苑西通り」といった大通りへ出やすい好立地です。
目黒区青葉台アドレス。閑静で自然豊かなエリアに建つ高級低層マンション。
低層マンションらしい洗練されたデザインと広々とした内装デザインが特徴的です。
お金持ちはなぜ低層マンション選ぶ?
最近では、お金持ちは低層マンションを好んで選びます。
タワーマンションの最上階に住みたい、夜景を満喫したい、などといったお金持ちのイメージから少しずつ変わってきています。
まず、タワーマンションや通常のマンションだと住戸数が多いので住んでいる人が多くプライバシーが心配になります。
芸能関係や著名人の方はプライバシーがとても大切で、お金持ちの多くはプライバシーを気にする人が多く、住戸数が少なくプライバシーが守れる低層マンションを好む人が増えています。
更に、低層マンションですと高級マンションが多いのも特徴です。
ずば抜けた高級マンションシリーズの多くは低層をメインで建築されています。
メリット・デメリットは?
低層マンションにはメリットもデメリットもあります。順に見ていきましょう。
まずはメリットです。
プライバシーが守れる!
タワーマンションに比べ低層マンションは戸数が少ないです。
SNSなどが普及したり家がばれてしまったりと個人情報は非常に大切ですのでプライバシーが守れるのは重要です。
近隣の治安が良い!
物件の多くが「人が暮らすスペース」という前提をもって建てられているため、
比較的治安がよい場合が多いです。
夜の駅前のように酔っ払いや騒ぐ学生が多くいる…といったこともなく、
毎日安心して暮らせるのは非常に大きなメリットといえるでしょう。
周辺の自然が豊か!
そもそも物件が「居住しやすい住環境」のルールに則られているため、
豊富な自然環境やのどかな公園など、暮らしやすさを覚えることが多い印象です。
家の近所にこうしたスペースが多くあるのは、特に子育て世代には大きなメリットといえます。
オシャレなマンションが多い!
低層マンションはデザイナーズの物件が多くあることも大きな特徴。
自分好みの外観や、好きなデザイナーが手掛けた物件、自分好みの間取りなど、
普通のマンションに比べて個性的な物件が多いことは何物にも代えがたい魅力の1つです。
価値が変動しづらい!
物件の価値が変わるには様々な理由がありますが、その多くが周辺環境の変化によるもの。
例えばタワーマンションでは、近くにより高いマンションが建つことで部屋が日陰になってしまったり、景観が悪くなってしまうことがあります。
こういった間接的な要因でマンション自体の価値が落ちてしまうことも。
その点、低層マンションは周辺の物件にも制限があるため、そういったイレギュラー的な要素による価格変動が少ないのがメリットです。
次にデメリットです。
駅から離れた物件が多い!
これが一番大きなデメリットかもしれません。
物件によっては最寄り駅から15分ほど歩くケースも。なれるまでは毎朝の通勤などに不便さを覚えそうです。
また周辺にコンビニなどのお店が少なくなりやすいことも困りやすいポイントの1つ。
住民同士の付き合いが多く、トラブルになるケースも!
戸数の少ない物件が多いことから、どうしても住民同士の距離が近いことは低層マンションの大きな特徴。
(もちろんこれをメリットとしてとるか、デメリットととるかは人それぞれですが…)
ゴミ出しのルールなど、中には住民同士の自治で成り立っている場所もあるので、
これをきっかけに住民間のトラブルに発展してしまうケースもあります。
基本的にマンションのルールは「郷に入っては郷に従え」。
波風を立てず素直に従うのが無難です。
共有施設やサービスが少ない!
低層マンションはタワーマンションのような物件とは違い、コンシェルジュや共用施設といったサービスを受けられる物件が極端に少ないです。「特に必要ない」といえばそれまでですが、マンションに住むことで無料ないし低額でサービスが受けられるのは相対的にはお得。こうしたサービスがないのは、ある意味デメリットでもあります。
リフォームの自由度が低い!
柱が構造の中心となっている高層マンションと違い、ほとんどの低層マンションは「壁」が構造の中心となっています。そのため「壁を外して部屋を広くする」「間取りを変更する」といったリノベーションやリフォームが難しい傾向にあります。
住んでみてから「リノベーションしたい!」と思ってもできないという最悪のケースも。部屋選びは計画的に行いましょう。
低層マンションで暮らすうえで気になるのはやはりセキュリティの部分。
誤解を恐れずいえば、低層の物件ということで侵入されやすいのは事実です。
しかし近年は内廊下になっているような物件もあり、セキュリティの質は年々上がっています。
近年評価されているその理由は?
ここ1~2年で低層マンションの需要が上がっています。
その理由として大きいのはやはりコロナウィルスの影響。タワーマンションのようにエレベーターの利用や、多くの人の出入りがある共用部…といった人と接触する機会が多いことが理由となっています。
タワーマンションは災害に弱い?
最近では、富士山の噴火や都心部への直下型地震の危険性もテレビなどでよく取り上げられています。地震や富士山の噴火はいつ来るか正確には分かりませんが、理論上必ず起こる災害です。低層マンションは「地震発生時にも建物外へ速やかに逃げられる」という点で、注目が集まっているようです。
タワーマンションで火事や地震が起こるとエレベーターが緊急停止して、使用できなくなります。
豊洲のタワーマンションで火事が起こり、友人が避難した際に20階迄非常階段で上り、すぐに家族を連れて下りると歩くこともできないほど、足の疲労が酷く非難することの難しさを痛感したため、筋トレを始めた!という話がありました。
高層階に住む高齢者の方は、高層階から1階まで階段で下りることは難しく部屋に残る選択をとるしかありません。幸いに火事はボヤで住みましたが大きな火災が起こる事を想像すると怖いですね。
実際に、2017年にイギリスのタワーマンションの火事では多くの死傷者がでました。倒壊の危険もあり、2次災害の危険があることから残火鎮滅作業も困難な状況が続き、現在も出火原因不明という事件でした。
都内で低層マンションの多いエリアは?
田園調布
大田区の田園調布は東京でも指折りの高級住宅街です。
町が独自に制定する「田園調布憲章」という住宅の建築ルールがあり、駅前を中心に町全体が住宅地になっている珍しい駅。
相対的に戸建て物件が多い傾向ですが、低層マンションもあります。
白金台
都心部有数の住宅街。立地から芸能人も多く住んでいることで有名です。
港区の高台に位置する町のため、坂が多いのが大きな特徴。
成城
東京の西側、世田谷区にある住宅街。その歴史から、田園調布ともしばしば並び評される由緒正しい高級住宅街です。
都心部からはやや外れているため、閑静で落ち着いているのが特徴。
松濤
渋谷区西部、目黒区との区境にほど近い住宅街です。
他の住宅街と違う大きく点は、東京で最もにぎわう渋谷の繁華街と近いということ。
閑静で住みやすい住宅街である一方、利便性が高いのも大きなポイントです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
低層マンションはこれからも益々人気が上がっていくこと間違いなしです。
タワーマンションの魅力について理解しつつ、低層マンションとどちらが自分の好みなのか?
今回の記事でご紹介した低層マンションの魅力を活かし、ぜひ理想の部屋を探してみてください!
また、弊社サイトでは低層マンションのご紹介も行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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リテラ株式会社 代表取締役 加藤 圭一郎
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