エリア情報 コラム
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引越し予定日のどれくらい前からお部屋探しを始めるべき?

         

「今住んでいる家と転居先の家賃がかなり被ってしまった」
「イイ物件が見つかったけど、今の家の解約予告を出していないので申込ができない」
「この日までに引越さないといけないのに物件がない」

このような経験がある方、多いのではないでしょうか。

今回は、引越し予定日から逆算してどれくらい前からお部屋探しを始めれば、ちょうど良いタイミングで引越しができるのかについてのコラムです。

 

申込から入居までのスパン

地方と違い、都心部の物件は需要が高いため空室期間が短く、募集を始めてから短期間で成約になることがほとんどです。
そのため貸主側(オーナーや管理会社)も強気になりがちで、申込を受けてから入居(契約開始)までの期間に余裕を持ってくれない場合が多いのです。

申込から契約開始まで1ヶ月も貰えれば上々で、短い場合では2週間しか待ってくれない、ということもあります。

一般的に賃貸借契約の解約は1ヶ月前までに予告をしなければならない場合が多いので、新居へ申込をしてすぐに解約予告を行ったとしても、新居の貸主側から「2週間で契約開始してほしい」と言われてしまうと、今の家賃と引越し先の家賃が2週間ほど被ってしまいます。

最近では解約が2ヶ月前予告とされている物件も多いので、そうなると1ヶ月半ほどの家賃が無駄になってしまうことに・・・

引越しシーズンとの関係

入学・入社の時期である4月。
転勤が多い時期である10月。

この年2回、引越しをする人が増えいわゆる「引越しシーズン」となります。
引越す人が増えるということは自ずと解約が出る物件も増え、2-4月と9-10月ごろは年間を通して賃貸募集が最も多くなる時期です。
ただ、その分入居する人も多くなることからお部屋探しは熾烈な競争になります。
募集が出たばかりの物件に申込を入れたのに、タッチの差で他の人に取られてしまった・・・ということも珍しくありません。

貸主側からすると、この時期に募集する物件は「借り手が付きやすい」のです。
「この日までに引越さなければいけない」という人が多いのでオーナーとしては借主側の交渉事を聞く必要がなく、むしろ賃料や初期費用を普段より少し上げることもあります。

そうなると当然、契約開始までのスパンについても融通を利かせてはくれませんよね。
「2週間で契約開始するのが嫌なら他の入居者を探すまで」
と言われれば引越し期限が押し迫った入居者は首を縦に振るほかありませんし、そう言えるだけの需要が都心部の賃貸物件にはあるのです。

では逆に引越しシーズン以外の時期はどうなのでしょう?
空室は埋まりづらくなり、賃料や初期費用を下げざるを得ない状況になることも多いのです。
そうなると申込をしてくれた入居者からの交渉事は聞き入れてもらいやすくなりますよね。
契約開始までのスパンも同様、オーナーの意地で断ってしまうと次の入居者が現れるのはいつになるかわからないため、申込から1ヶ月程度は許容してくれることもあります。

当然、引越しシーズンに比べて空室は少なくなりますが、より良い条件でお部屋を借りたいという方は引越しシーズンを外してお部屋探しをしてみると良いでしょう。

とはいえ、いつの世も《なるべく早く入ってくれる人》を優先したいのが不動産オーナーというもの。
あくまで時期による違いはオマケ程度に思っていた方が良さそうです。

 

いつから探し始めればいい?

今住んでいる家が持ち家なのか賃貸なのか。
解約予告は1ヶ月前までか2ヶ月前までか。
新居のオーナーがどこまで融通を利かせてくれるか。

これらの要素によって探し始めのタイミングは異なりますが、概ね引越したい時期の1~2ヶ月前から探し始めれば無駄が少ないと言えるでしょう。

たとえば10月に引越したい方が6月や7月からお部屋を探し始めて内見していたとしても、申込をしてしまうと入居が当月や翌月になってしまいます。
とはいえ6・7月から9・10月まで同じ物件の募集が続いているということはまずあり得ません。

つまり、早すぎる時期に内見に行って気に入った物件を見つけたとしても、その物件を押さえることもできず打つ手がない。さらに実際に引越す時期にその物件は空いていないため、お部屋探しと内見に掛けた時間と労力は全く無駄になってしまうのです。

普通は引越しの1ヶ月前から探し始めても十分ですが、こだわりが強い方やイイ物件が見つかるか不安な方は2ヶ月ほど前から探し始めると良いでしょう。

最後に

結論、今の家の退去と新居の契約開始のタイミングをピッタリと合わせることは非常に難しいのです。
運良く新居のオーナーが融通の利く方であれば良いのですが、通常は家賃の重複が一切ないように引越しをしたい場合、今の家の解約予告を出してから探し始めるしかありません。

ですが審査NGになってしまったり、オーナーの都合で貸し止めになってしまうことも。
解約予告は基本的に出してしまうと取り消すことができないため、見切り発車した結果、家がなくなってしまうという可能性もあります。

その可能性がある以上、多少家賃が被ってしまうのは仕方ないと割り切ってお部屋探しをする人が多いのも事実。
たしかにそれが最も堅実であると言えるでしょう。

空き予定のうちから申し込んでいた物件にそのまま引越す場合はタイミングも計りやすいのですが、いろいろな物件を見比べて検討したい、という方は賃料の重複は割り切って考えるしかありません。
「絶対に家賃が被るのは嫌だ」ということで解約予告を出してからお部屋探しをする方もいますが、本当に家がなくなってしまってホテル住まいを余儀なくされることもありますので、正直に言ってあまりオススメはしません。

ただ、今の家の解約予告が2ヶ月前の場合は、スムーズに新居が決まると1ヶ月分以上の家賃が重複してしまいますので、先に解約予告を出してから探し始めるのもひとつの手です。

とにかく、《お部屋探しを始めるタイミングは引越しの1~2ヶ月前から》と思っておけば間違いありません。
それより前に探し始めても無駄な動きになってしまいますし、あまりに多くの物件を見てしまうとかえって何が良いのか何が悪いのかもわからなくなり、いざ本当に探すべき時に余計に迷ってしまいます。

事前にインターネット等で情報収集をしておくのは良いことですが、内見は本当に引越すタイミングの1~2ヶ月前からにしておくのが良いでしょう。

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リテラ株式会社 代表取締役 加藤 圭一郎

2013年12月、東京都中央区銀座にて、リテラ株式会社を創業。創業前から不動産業界に身を置き、宅地建物取引士として14年のキャリアを誇る。 東京都心を中心に不動産の売買、賃貸、管理並びに仲介、斡旋業務を手掛けている。 また、引っ越しをもっと気軽にすることをコンセプトとした都心の高級賃貸マンションの情報サイト「Litera Properties」の運営をはじめ、不動産に付随した幅広いサービスを展開している。